2016年01月29日

西加奈子「きりこについて」あらすじと感想


小学校の体育館裏で、

きりこが見つけた黒猫ラムセス2世はとても賢くて、

大きくなるにつれ人の言葉を覚えていった。

両親の愛情を浴びて育ったきりこだったけれど、

5年生の時、好きな男の子に「ぶす」と言われ、

強いショックを受ける。

悩んで引きこもる日々。

やがて、きりこはラムセス2世に励まされ、

外に出る決心をする。

きりこが見つけた世の中でいちばん大切なこととは?





タイトルが『きりこについて』、

すなわち『きりこ』という女の子の成長の記録です。

きりこはブスで、それにより苦しむがそれを乗り越えるという

ありきたりといえばありきたりのストーリーです。

前半、主人公きりこののブス加減がこれでもかとばかりに

繰り返されます。

そもそもブスとは なに?

人間の容れものと中身。

人にとっての美醜とは。

その人がその人としてある存在の意味...などなど

『猫の視点』を挟むことで絶妙なバランスをとっているようにも感じました。

きりこについて [ 西加奈子 ]


読者からの熱烈な支持を受け、ついに文庫化です。




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2016年01月25日

富樫倫太郎「ファイヤーボール」あらすじ。KY刑事が魅力

所轄の窓際部署にやってきたキャリア警察官・小早川冬彦。

マイペースな変人だが心を読み取るスペシャリストだった。


「SRO」シリーズの著者が描く警察小説です。


署内の役立たずを集めた島流し部署、

生活安全課のなんでも相談室・通称0係。

そこに異動してきたキャリアのKY刑事・小早川冬彦。



島流し部署としての変わり者のキャリアというのは

よくある設定ですが、

小早川冬彦のプロファイリングと些細な事件にも

型破りに立ち向かう正義感は面白いです。

プロファイリングということで主人公の小早川冬彦の

人を食った感じが面白いです。


また人の心の動きにも敏感で小さな事件に隠された

重大な事柄にも見事に気がつきます。




そんなつもりはないのだろうけれど、

人の欠点を指摘したり物事を大げさにしたりして、

ワザとしているかと思わせるようで空気が読めない。

その矛盾が面白い。


小さな事件と、放火事件、警察内部の事件が

すべてつながって行くラストはとてと痛快に思えるはずです。


また2016年1月から主人公の小早川冬彦に小泉孝太郎、

ベテラン刑事な松下由樹さんらが出演しドラマ化も始まっています。

生活安全課0係 ファイヤーボール [ 富樫倫太郎 ]




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2016年01月22日

隈研吾「建築家、走る」あらすじ



文字通り世界を駆け巡りながら、

歌舞伎座から中国の「竹の家」まで、

著者は歴史と時代への応答を建築に表現する。


予算はもとより多くの制約を越え、

「反20世紀的」反骨精神で多様な発想を形に変えてきた仕事、

社会や辺境を注視する21世紀、

震災など、5年間のインタビューをもとに構成された

エッセーになってます。




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石合力「戦場記者」あらすじ



現在の戦場地では報道機関は「中立的な存在」とみなされず、

事故や事件に巻き込まれる危険が高い。


中東特派員など経験したサバイバル秘話は、

冒険小説さながら。



日本特有の「自己責任」論も「知る権利」との相克わ生むなか、

情報収集と安全対策はどのように行われるか。


国際報道部長を務める著者が、

それでも現地取材が必要なわけを語る。




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2016年01月21日

原宏一「ファイヤーボール」あらすじ



世界中の奇祭に共通するコンセプトは

「馬鹿馬鹿しいほど単純で危険」。


それを郊外住宅地の町内会で開催する立場に、

仕事一筋だった商社マンが追い込まれる。


町内を仕切る老人一派、旧住民との歴史的な対立、

行政とのやりとり…社内政治に劣らず厳しい課題が。

コミュニティー作りを、描くユーモア長編にらなってます。




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保坂和志「カンバセイション・ピース」あらすじ




子供の頃数年住んだ伯父の家に、

妻とめい、猫3匹と暮らす小説家。


間貸する友人の会社の3人は、

ギターを弾いたり鼻歌を歌ったり。


「死っていうのが人間に理解できない理由は、

もしかしたら豊かすぎるかもしれない。」



可変的な記憶と現在の間で

「人間と世界との関係」に思索を巡らせる。




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2016年01月20日

大塚信一「宇沢弘文のメッセージ」あらすじ


数理経済学のエースだった宇沢は、ベトナム反戦や水俣病、

天安門事件などに向き合う中で、

従来の新古典経済学で解けない問題に取り組んできた。

人間らしい豊かさや公平さを制度に取り込もうとする

その思想のエッセンスを、第一作「自動車の社会的費用」以来、

編集者として伴走してきた著者が、人なりとともに概説する。




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堀川惠子「裁かれた命」あらすじ



元最高検察庁検事・土本武司は、

死刑を求刑したただ一人の強盗殺人犯・長谷川武から

手紙を受け取り戸惑っていた。

1966年の事件当時22才。

前科はなく、現在であれば死刑は免れたはずだが、

さしたる弁明もせず処刑された。

なぜか?

事件と裁判の真相を追った新潮ドキュメント賞受賞作です。




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2016年01月19日

ドナルド・キーン「二つの母国にいきて」あらすじ


日米を行き来してきた日本文学者が、

1980年代につづったエッセー。

文学翻訳の深層にある「訳し難いもの」や「無常感」、

能の普遍性や歌舞伎の神髄に精通した文化論、

また文学者が戦争にどう向き合ったかなど

独自の観点からの知見は現在も新鮮です。




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吉田たかよし「受験うつ」あらすじ


副題「どう克服し、合格をつかむか」。


診療内科医の著者によれば、ストレスが増える受験期に、

うつ症状となる未成年が増えている。

いわゆる新型うつ病の例も多い「受験のうつ」のメカニズム、

見分け方、治療法を説明する。


また、うつにならない勉強法、

脳機能から考えたストレス管理法、

親のサポート方法についてもアドバイスしています。




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2016年01月18日

湯浅浩史「ヒョウタン文化誌」あらすじ


最古の栽培植物のひとつヒョウタンは、

水の運搬具として人類とともに海を越え、

民族間のつながりやルートの指標になる。



容器以外に帽子や装飾品、救命具、医療器具、

楽器にアート素材と、世界中に多彩な用途があります。



他界や世界の終末イメージともつながるシンボル機能まで、

想像力の小宇宙を、旅する。




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村上宣寛「あざむかれる知性」あらすじ


健康やダイエット、ビジネスの成功や幸福など、

関心がもたれるテーマについて、

専門家や経験者が書いた本や論文はどこまで正しいのか。

複数の研究結果を統計的に統合するメタ分析によって検証。

認知心理学の立場から、

実証的であるはずのメカニズムを解説しています。




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2016年01月12日

城山真一「ブラック・ヴィーナス」あらすじ


銀行に失望してメガバンクを退職した百瀬良太は、

県が管轄する「いしかわ金融調査部」で、

金融関係の相談員として再就職した。


その頃、良太の兄が経営する会社の経営が危うく、

兄が頼ったのは、地方で噂になっている株取引の天才

「黒女神」だった。


黒女神こと二礼茜は、大金と引き換えに、

“依頼人のもっとも大切なもの”を要求するという。

大金を用意した茜は、良太を助手にすることに。

良太は依頼人に応えていく茜を見守るが一方で、

良太の職場の上司が茜の存在を調べているらしいことを知り、

良太は言い知れぬ不安を覚え――。

ブラック・ヴィーナス [ 城山真一 ]

やがて壮絶な経済バトルに巻き込まれていく!




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2016年01月08日

奥田英朗「沈黙の町で」あらすじ


中学二年生の名倉祐一が部室の屋上から転落し、死亡した。



屋上には五人の足跡が残されていた。



事故か?自殺か?それとも…。



やがて祐一がいじめを受けていたことが明らかになり、



同級生二人が逮捕、二人が補導される。



閑静な地方都市で起きた一人の中学生の死をめぐり、



静かな波紋がひろがっていく。



被害者家族や加害者とされる少年とその親、学校、



警察などさまざまな視点から描き出される傑作長篇サスペンス。


感想はと言うと

中学生の気持ち、世界がリアルに描かれています。

イジメは、この小説のように罪の意識のない

悪意の中から生まれてきたのかも知れないと考えさせられます。

イジメを肯定するつもりはないけれど、

イジメッ子が絶対悪というのでもないのかも知れないとも

考えされられます。


生徒たち、被害者の親、被疑者の親、先生、記者・・・

いろんな立場の人が出てくるが、

それぞれの気持ち・行動が理解できる内容だと感じ、

いろんな立場で考えることのできる一冊になっています。

沈黙の町で [ 奥田英朗 ]



ーー著者についてーー

奥田英朗
1959年生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て、

1997年に『ウランバーナの森』でデビュー、作家活動に入る。

2002年に『邪魔』で大藪春彦賞、

04年に『空中ブランコ』で直木賞、

07年に『家日和』で柴田錬三郎賞、

09年に『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞受賞



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角田光代「坂の途中の家」あらすじ

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

虐待事件の補充裁判員になった里沙子は、

子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、

いつしか彼女の境遇に自らを重ねていく。

社会を震撼させた虐待事件と〈家族〉であることの

光と闇に迫る心理サスペンスであり、

感情移入度満点の社会派のエンターテイメントです。

2007年『八日目の蝉』、2012年『紙の月』、

そして2016年著者の新たな代表作です。

坂の途中の家 [ 角田光代 ]

ーー著者についてーー

角田光代(カクタミツヨ)
1967年神奈川県生まれ。90年「幸福な遊戯」でデビュー。

96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、

2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、

05年『対岸の彼女』で直木賞、

06年「ロック母」で川端康成文学賞、

07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、

11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、

12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、

同年『かなたの子』で泉鏡花文学賞、

14年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受賞。





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徒然なる・・・戯言たち。。
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